自らの価値を改めて示した瞬間だった

お見事!!岡田ジャパン‐。E組の最終戦を行い、日本はともに1勝1敗のデンマークと対戦し、3‐1で快勝した。02年日韓大会以来2大会ぶり2度目の決勝トーナメント進出。日本は前半、1トップを担った本田圭佑=CSKAモスクワ=が先制FK弾を決め、MF遠藤保仁=G大阪=もFKでゴール。後半に1点差となったが、FW岡崎慎司=清水=がダメ押し弾を決めた。

同組のオランダが3連勝を飾り、日本は2位通過。日本は29日、決勝トーナメント1回戦でパラグアイと激突する。 野焼きに煙るルステンブルクの夜空に描かれた2本の美しい弧が、1次リーグ突破への懸け橋となった。本田と遠藤‐。日本の誇る屈指の左右のプレースキッカー2人のアベックFK弾で、強敵デンマークを撃破した。前半開始早々、本田の咆哮が響いた。左足に巣食う“悪魔”が目覚めたのは、前半17分だ。ゴール右斜め45度、距離は約35メートル。

相手のファウルの笛を聞いた瞬間にボールをもぎ取りに行くと、そのまま数秒間、集中を高めて左足を振り抜く。無回転で空中に蹴り出されたボールは、まるで意思を持ったように左へ曲がりGKの手をかいくぐってゴールへと突き刺さった。“悪魔の左足”伝説が始まった北京五輪アジア2次予選の香港戦も、今年、CSKAモスクワを欧州CL8強に導いたセビリア戦のFK弾も同じく右斜め45度だった。“本田ゾーン”からの一撃は、自身フル代表では初となるFK弾。ゴールを見届けると、日本サポーターの席に向かい、両拳を握りしめ、雄たけびを上げた。「FKは俺の存在意義」と語る男が、自らの価値を改めて示した瞬間だった。