探査機「はやぶさ2」、小惑星に向け3日に軌道変更

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ2」が12月3日、目的地の小惑星リュウグウに向かうため軌道を変更する。地球の引力を利用して大きく方向転換し、加速させるもので、正確な制御技術が問われる。関係者は「重要な通過点」として気を引き締めている。
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 はやぶさ2は昨年12月に打ち上げられた後、太陽の周囲を一回りして地球に接近中。現在は地球から約200万キロの場所を順調に飛行している。

 軌道変更では地球を追いかけるように接近し、引き寄せられる力を利用して方向を約80度変える。速度も約5%増の秒速31・9キロに加速して勢いをつけ、リュウグウへ向かう計画だ。

 燃料を節約するためエンジンは噴射しない。軌道の計算が正しければ成功する可能性が高いとみており、成否は12月中旬に判明する見通し。地球に最接近するのは3日午後7時7分ごろで、米ハワイ付近の上空3100キロまで近づく。
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 リュウグウは、小惑星の岩石を地球に持ち帰ることを目指すはやぶさ2が、竜宮城から玉手箱を持ち帰った浦島太郎に似ているとして命名された。津田雄一プロジェクトマネージャは「軌道変更は浦島太郎が亀に乗って海に入る段階。必ず成功させたい」と話す。

 はやぶさ2は、平成22年に小惑星の岩石を世界で初めて持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機。地球から最遠で約3億キロ離れたリュウグウに30年に到着し、32年の帰還を目指す。

リニア、米上陸へ一歩前進 協力会社に営業権

 JR東海がめざすリニア新幹線の米国への輸出が一歩前進した。協力会社の鉄道を営業する権利と、米政府からの補助金が認められた。ただ、巨額の建設費のめどは立たず、構想は加速しているとは言いがたい。

 柘植康英社長は19日の東京での記者会見で「一歩ずつ前進している」と語った。
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 JR東海が輸出を狙うのは、首都ワシントンからボルティモアまでの60キロ。最終的には、ニューヨークを経てボストンに至る730キロへの導入をめざす。

 国内でリニア中央新幹線を造り始めているJR東海は、米国では自ら運営には乗り出さず、技術供与にとどめる。普及の突破口とし、量産による製造コストの削減も狙う。

 そんな構想をめぐり、ボルティモアのあるメリーランド州は7日、米政府に申請していた調査への補助金2780万ドル(約34億円)が認められたと発表した。ルート選定や建設費の試算を進める調査だ。さらに同州が、JR東海の現地の協力会社に対し、鉄道を営業する権利を与えたことが17日明らかになった。
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 もっとも、これでリニア輸出が一気に進むわけではない。

 調査への補助金約34億円は調査主体が約7億円を負担することが前提。「州は予算がないから、それをどうするかが問題」とJR東海首脳は言う。

 建設費はワシントン―ボルティモアだけで1兆円にのぼるとされ、どう工面するかという課題も残る。

 JR東海は米政府が前面に出ることを期待し、日本政府も支援する構え。半額の5千億円を国際協力銀行(JBIC)を通じて融資する考えを米国側に伝えているが、全米に高速鉄道網をつくる計画を掲げたオバマ政権は2017年1月に任期が切れる。

 来年は米大統領選があるだけに「しばらく劇的な進展は期待できない」(JR東海幹部)との声もある。

北極海航路参画へ国家プロジェクト 初の観測船32年にも就航

政府が初となる北極観測船を建造し、早ければ平成32年にも就航させる方針であることが13日、分かった。自前の北極観測船で科学技術力を高めるとともに、温暖化による氷解で航路活用や資源開発が注目される北極海に関する国際ルールづくりの議論で、日本の存在感を高める狙いがある。北極海航路は日本経済を支える新たな物流ルートと期待されることから、政府は資源開発を含めた北極政策を国家プロジェクトとして位置付ける。
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 北極観測船は、海洋研究開発機構が運用している海洋地球研究船「みらい」(全長128メートル、8700トン)を基本モデルとする。海氷下を長期間にわたって観測できる自律型無人探査機を搭載し、船上からデータ収集などを行う。南極観測船「しらせ」のような砕氷機能を持たせるかは今後、研究を進める。

 政府は船の設計など28年度予算に約3億5千万円を計上し、無人探査機開発には約2億5千万円を投入する方針で、同地域での研究体制を強化する。

 北極海では近年の温暖化で6月から11月ごろの航行が可能になった。国土交通省によると、北極海航路を利用すると、横浜港からドイツ・ハンブルク港の航行距離は、スエズ運河を通る「南回り航路」(約2万1千キロ)の約6割となる約1万3千キロに短縮できるという。南回り航路に比べ海賊のリスクも少ない。
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 政府は今年10月、初の「北極政策」を策定し、北極をめぐる各国の取り組みを主導すると表明。民間企業でも商船三井が昨年、ロシア北部で生産される液化天然ガス(LNG)を、30年から北極海航路を経由して欧州や東アジアに定期輸送すると発表している。

 また、これまで厚い氷で阻まれていた鉱物資源や食材としての新たな生物資源の開発が期待されている。このため、各国が高い関心を示し、中国や韓国も観測船の導入を進めている。

 政府は、観測船派遣などを通じて日本が同海域の主要プレーヤーであることを国際社会に示し、国際ルールづくりに積極的に参画していく戦略を描いている。